南フランスの電車の旅。フランスでは日本と同じように電車での移動がとっても簡単で、今回は6日間で4つの街を訪れてきました。
最初に訪れた街Arles(アルル)は、歴史がたくさん詰まった小さな街でした。街の真ん中には、ローマ時代一世紀末頃に建てられた世界遺産の円形闘技場があります。ローマのコロシアムよりは小さいものですが、フランスでは最大で迫力があります。今は闘牛の会場として使われているのですが、観覧席はそのまま石が使われていて、弱そうな木のベンチが並んでいてとても古そう。
誰もいない閑散とした闘技場を一回りしていると、なんだか自然に歓声、汗、興奮、涙、希望、落胆の声が聞こえきそうな空間。この場所で過去千年の間にどれだけたくさんのドラマが生み出されたのでしょうか。なんだか男のロマンを感じさせるところでした。
そしてアルルは、毎年夏に行われる国際写真フェスティバルの会場でもあります。街の至る所にエキシビション会場やたくさんの写真が展示され、古い町並みに現代写真のミックスがとても素敵でした。
アルルからバスで1時間ほど走り、アルピーユ山脈の北にあるSaint-Remy-de-Provence(サン=レミー=ド=プロバンス)という小さい街へ。ここには、画家ゴッホが約一年間療養したサン=ポール・ド・モゾル修道院の精神病院があります。
この精神病院でゴッホは小さい病室の窓から見える景色や、病院の周りのオリーブの木、庭にあるラベンダー畑など、一年の間たくさんの絵を書いたそうです。
今回、プロバンス郊外の景色を初めて見て、改めてゴッホの絵をもう一度見直してみると、彼の絵の色使いや、あの独特の筆使いがこの景色にぴったりと言うか、ゴッホの描写がいかに素晴しいかがよく分かりました。
ゴッホの絵は中学生の美術の時間で初めて出会ったのかな。それからアムステルダムのゴッホミュージアムでたくさんの彼の作品をみて、あの教科書で見ていた絵を生で見ることができたことに感動。そして今回は、その彼の絵の題材を生で見ることができことにもっと感動。
次はAix-en-Provence(エクサンプロバンス)へ。
アルルからマルセーユ、そして電車を乗り換えて到着。
ここは日本で言う軽井沢のような、皆が優雅な生活をしているような雰囲気の漂う街でした。マルシェが街の至るところに出ていて、フランス料理が何故こんなにも美味しいのか、食材を見ているだけでよく分かります。野菜に、果物、チーズにサラミに、オリーブ、お魚、お肉、ケーキにパンに、もう全部買って帰りたい。
そしてこの町は、画家ポール=セザンヌが生涯を過ごした町でもあります。セザンヌが生まれ育った家通った学校、最愛のお母さんの家、そして彼の生涯最後のお家と、すべて残っていました。中に入ることはできませんが、すべて歩いて回ることができます。彼のアトリエがある所は少し町中から遠かったので行くことができませんでしたが、彼が生涯を過ごした町を彼と共に歩いたような気がしました。
最後の写真はマーケットで見つけたもの。南仏といえば、ラベンダー。たくさんのラベンダー商品をみたけど、これは特別に可愛い。一見してわかる通り、とっても手間がかかっていて、小さいものでも3mのリボンとラベンダーの茎の部分がきれいに編まれていて、ラベンダーのお花が中に入っています。良い香りで、とってもフレンチな商品でした。