海にプールにサンシャイン!
寒いロンドンから逃げるように、常夏のスリランカに一週間のホリデー。
8年前にスマトラ沖地震による津波で大きな被害を受けたスランカ。まだまだ発展途上国だけど、30年間も続いた戦争が3年前にやっと終戦し、国全体が経済成長を目指している様子が伝わってくる、活気に溢れる国でした。
首都のコロンボに着いて、そのままタクシーでBentota / ベントータという西海岸にある小さい町へ行きます。 そのタクシーからの光景はどれも私達の国ではみかけたいものばかりでした。そして驚いたことに、走っている車の大半は日本からの中古車ばかり。○○株式会社とか、○○工業とか○○旅館などの会社の名前が書かれたままのトラックや、ミニバス、そして乗用車をたくさん見かけました。道の脇には牛や、羊、犬が歩いていたり、トラックの荷台には荷物に埋もれながら、たくさんの人が乗っていたり、像がトラックの荷台に乗っていたり、みるもの全てに興味津々。
ベントータで3泊して、そこから泊旅行で南の街Galle / ゴールへ。移動は電車。海沿いを走るこの電車も結構古いもので、 電車の扉は走行中も開きっぱなし。「世界の車窓から」に出てきそうな景色が続きます。右側の景色は海岸、左側はスリランカの人たち。電車の中に座っている人を見ながら、彼らの生活を想像していました。
あいにく電車は満員だったので、開きっぱなしのドアの横に恐る恐る立っていたら、男の人が何かを持って通路を通りすぎました。プーンと良いにおい...海老をココナッツでの粉で揚げたスナックだそうです。他にもヤシの実を歩き売りしていたり、子供用の塗り絵やおやつも売っている人もいました。ゴールの町はなかなか大きな街で、世界遺産にもなっている壁に囲まれた旧市街があり、観光客の多い海沿いの可愛らしい街でした。
ベントータまで戻るのに、午後3時の最終の快速電車に乗り遅れ、バスで帰る事に。いろんな人に聞いて情報を集めると、皆がみんなACバスというバスに乗れば良いという。基本的にスリランカの人は観光客に親切で、歩いているだけでたくさんの人が話しかけてくれます。ただ何度か騙されたのも事実でどの人が良い人で、どの人が観光客狙いの悪い人なのかを見抜くのがとても難しい。
ホテルの外にいた暇そうにしているトゥクトゥクの運転手が、ここで手を挙げていれば止まってくれるという。バス停もないのに止まってくれるのかな~と心配していたけど、このおじさんも私と一緒にバスを待っていてくれた。私はACっていう会社の名前が大きく書かれた観光バスを想像しながら待っていたのですが、おじさんが「来たよ!」といって指を差したバスはなんとミニバス。ACバスなんてどこにも書いていないので、半信半疑でバスに飛び乗りました。
どこに座るのかとキョロキョロしていると、一番前のドライバーの横の助手席に座れ、と言われて急いでそこに座る。その間もバスは完全停止せずにゆっくり動いていて、バスに乗ってから座るまで長く感じたものの、たじろんでいる暇はまったく無し。座ってからもホッとしている暇は全く無くて、ドライバーの運転がこれまたすごい。曲がり角でも容赦無く追い越し。追い越ししている車を追い越す、ダブル追い越しもなんなくこなす。シートベルトも無しに助手席に座っている私はスリル満点。
バスを一緒に待ってくれたおじさんに、ありがとうの一言も言えずにバスに乗ってしまった事がとっても残念。ゴールの街で優しそうに見えた、あるおじさんに騙された後だったので、彼のことも少し疑っていた私ですが、あのおじさんがいなかったらどのバスに乗るのかもわからなかったし、今更ながら本当に感謝です。
ベントータに無事に着いて、ACバスの話をしていると「ああ、あのエアコンディショニングバスね」と言われ、ACって会社の名前かと思っていたら、ただ単にエアコンの頭文字のACだったことが発覚し少し笑えた。この電車とバスの旅はとっても楽しくて、旅のハイライトといっても良いでしょう。
ちなみに電車の旅はベントータ~ゴールの所要時間は一時間で、運賃はたったの100円。そして、電車より所要時間が長いACバスは、倍の200円。それでも安いのですが、このあまり良くわからない金額設定も笑える。たぶん所要時間が長くても、エアコンが付いているから倍の値段なのか。。。
このバスのルートは、電車と同じく海岸沿いを走ります。ゴールからベントータまでいくつかの街を通り過ぎ、道の脇にはたくさんのお墓と壊れた家の風景が続きます。そう、あの津波の被害にあった地域です。後で話を聞くと、行きに乗った電車も津波の被害にあったそう。8年前なのにまだまだ生々しい津波の傷跡が残っていました。津波の被災者は3万5千人も及んだこの国。たくさんの観光客が訪れて経済が安定していく事を祈っています。