『THE DAY』 をつくるのをやめてから
目線と思考はいま、他のところを向いている。
そんな中出会った2つの本が最高だった。
『STUDIO VOICE』。
「YOUTH OF TODAY」をテーマに編み上げられたユースカルチャー。
水をぶっかけたような凹凸ある印刷と歪んだ文字。
みずみずしくて、世間的で言うところの当たり前が存在しない
ユースたちのイメージを表現したアートディレクション。
たっぷりインクが染み込んだ紙の手触りとにおい。
ページをたぐる。
出会い頭にのめり込む。
ああ、世界はヒリヒリしている!
ヒーローやアイコンがいない、なんて話をよく聞くけれど
そこらじゅうにいるよ。世界のそこらじゅうにいる。いつだっている。
それを見つけられる目を持っていないだけじゃないか。
目をこらして、感情と思考が波打つ音を聞き逃さぬよう。
具象を眺めていたはずなのに、最後は感情が残る。
雑誌ってこうだよな。こうでなくちゃ。
訓市さんにメールしよう。
『nepenthes in print』
いつまでもおっきな背中を追いかけていたい。
近くにできるだけいて、その姿と言葉を聞き逃したくない。
「ネペンテス」って自分にとってそんな存在。
洋服の向こう側に、いや、同時にかな。人格を感じるのだ。
「ネペンテス」って自分にとってそんな存在。
原点回帰、という言葉を聞いた。
ネペンテスの原点回帰。それがこの本。
そこには言葉が溢れ、眼差しがあった。
これは追いつけない。追いつかなくていい。
いつまでも大きな背中を見せていてほしい、偉大な先輩。
先輩の背中を見て、俺もやるぞ、なんて思うのだ。
ページをたぐって具象を眺めていたはずなのに
本を閉じると、そうして感情が残るのだ。
ああ。
日々はたのしくて愛おしい。