「ストリートスナップ」ではなく
「ストリートポートレート」を。
プロデューサー巻きの人ばっかりじゃなく
ポマードで刈り上げの人ばっかりじゃない
ほんとの街の肖像を。
僕はBOONという雑誌を見て育った。
その中に「STYLE SAMPLE」という企画があり
穴があくほどそれを眺めて育った。
鹿児島の田舎もんは、強烈に東京に焦がれ、大阪に憧れた。
どうやったらこんなオトナになれるのか
独り鹿児島の田舎もんは自問自答しながら。
そのSTYLE SAMPLEを撮り続けていたフォトグラファーさんが
大阪にいる。
街に潜り、街の肖像を捉え続けてきた人。
街があって、人がいる。
人が住んでる、街がある。
そこには、まぎれもない「かっこいい人」が写っている。
トレンドなんてまったく関係のない
その人にしかできることのないスタイルと
その人にしか醸すことのできない空気が
1枚の写真に詰まっている。
その人しかその写真は撮れないのだ。
どうしてもその人にお願いしたいと思った。
そして東京でもう1人。
自分がなんにもできない鼻くそみたいな時から
同じ時代を生きてきた仲間が、今フォトグラファーとして
仕事をしている。
その彼に、同じ時代や景色を見てきた彼に
話をした。唸りながらも彼は快諾してくれた。
そうして僕らが考えるSTYLE SAMPLEができた。
「STYLE SAMPLE」という名はBOONのものだ。
その名を考案し、作り上げてきた編集の大先輩にも電話をした。
「STYLE SAMPLE」という名前を使わせてもらってもいいかと。
その名に恥じない企画にしますから、と。
「いいよ、がんばれ」
背中を押してもらい、走ることができた。
街で声をかけて撮影するのではなく
ボクらの方から直接アポイントを取らせてもらい
撮影を行った。ボクらがかっこいい、と思う人たち1人1人に。
1人1人、生きてる道が違う。
1人1人にドラマがあって歴史がある。
みんながみんなそれぞれ地に足つけて生きている。
地に足つけようと生きている。
そうしてスタイルは後からついてくる。
服が似合う、ってたぶんそういうことだ。
鹿児島の田舎もんは、独り頭に汗をかきながら
お店に通ったもんだ。
お店でサイズ感を確かめて、ネットで買う人が増えているみたいだ。
いいんだけどね、なんか違う気がする。いいんだけどね。
でもやっぱりなんか違う気がするのだ。
なんと言ったらいいか、もったいないと思うのだ。
何度もお店に通って
緊張して、わくわくして、焦って、恥ずかしくて。
自分はお店からいろんなことを教わった。
なにより心躍ることは
その場にいないことには得ることはできない。
そんなお店をつくった人がいる。
お店に立ち続けている人がいる。
お店の向こう側を今もう一度のぞきたい。
アナログのコミュニケーションが持つ温度を伝えたい。
そんな思いを
「あなたがいるから、お店はたのしい。」という企画に
込めたつもりだ。
ずっとずっと憧れ続ける大好きなネペンテス。
いつも勝手に興奮してちょっと恥ずかしいぐらい。
代表の清水さんにもたっぷりお話伺いました。
大大先輩は、やっぱり迷うことなくかっこいい。
自分ももっともっとがんばろうと思えます。
7月24日。
THE DAYのSUMMER ISSUEが発売されました。
たくさんの方々に力を貸していただきました。
本当にありがとうございます。
少しずつ、恩返ししていきます。
THE DAY を手に取ってくれた人たちに。
街に繰り出す少しのきっかけになってくれたら
毎日が、明日が少しでも楽しくなるきっかけになってくれたら
こんなにうれしいことはありません。