弟から連絡があった。
「東日本大震災復興支援として、被災された子供たちにエールを送る」
障がい福祉・青少年健全育成・親子ふれあいフェスティバル
このフェスティバルに参加し、子供たちのために着ぐるみショーをやる、と。
そこでやるオリジナルストーリーのテーマソングを作ってほしい、と。
弟が脚本、演出、企画。
思えば地元鹿児島にいた頃、弟と一緒に着ぐるみの中に入っていろんなところでショーをやっていた。
今、弟は映画などの特殊メイク&特殊造形や着ぐるみ制作もやっている。
不思議な縁だなあ、と思いながら喜んで受けることにした。
弟が仕上げてきた台本を移動中の千代田線車内で読み、涙ぐむ。
演目の名は「むじゃらの探し物」。
妖精であるむじゃらは、大切なものを亡くしてしまう。
それを友達のせいにして、自分は悪くない、とひねくれる。
それでも友達はやさしい。むじゃらのために探してくれてる。
今度は友達が大切なものを亡くしてしまう。
むじゃらは今度は友達のために、一生懸命に探す。自分の探しものはどうでもいい、と。
気がつくと、むじゃらの頭には大きくてきれいなおはなが咲いている。探していたのは、誰かのために一生懸命になるこころと
大切な人たちみんなえがおだった、そんな話。
裏に歌詞とメッセージを、そして花の種をつけることにした。
ギリギリで動いてくれたデザイナー、岡下陽平氏(INAZUMA ONSEN)
当日朝までアレンジ&RECに協力してくれた村山潤氏
寝ずに歌ってくれて、さらに当日は歌のお姉さんもこなしてくれた大竹佑季ちゃん
本当にありがとう。
笑顔には、不思議な力が宿っていると昔から頑なに信じていて。
どんなことがあっても、笑っていれば何かが開けていく。
母親が倒れ、生死の狭間を彷徨っているときも
憔悴しきった父親と弟を前に、なんだか自分は笑っていた。
たくさん目に涙が浮かんでても、自分は笑っていた。
自分が笑って、父と弟が笑って、その笑顔は母親に絶対に繋がるはずだ。
そう頑なに信じていた。
半身不随確実、言語障害は確実、と診断された母親は今、
元気に買い物に行き、ドライブし、メシを作り、電話で僕に説教する。
奇跡は起きる。力がでてくる。
みんなの笑顔が、ずっとずっと連鎖して繋がっていけば。
この演目が、この音楽がずっとずっと繋がっていけば。
そう願いを込めて作りました。
「えがおのおはな」
作詞/大竹佑季、A.D.O. 作曲/A.D.O.
僕らはみんなみんな持っている
強くて優しい キラキラな魔法
誰かのために あなたのために
微笑みかけてみて みんながうれしいよ
心のお花をきれいに咲かせましょう
ありがとうありがとう笑顔はつながるよ
時には悲しみの雨もふる
だけどね、いつだってひとりじゃないよ
まぶたを閉じて思い出してみよう
みんなの笑顔が包んでくれるから
心のお花をきれいに咲かせましょう
ありがとうありがとう笑顔はつながるよ
弟と大竹佑季ちゃんと。ヒゲだらけ。