久しぶりにソファにごろりとして何気なくつけたテレビのバラエティ番組。
今何かと話題のママタレントたちが集合していた。
4ヶ月の子の母である大食いタレントのギャル曽根が夫の仕事が忙しいため
一人で家事と子育てをしている寂しさについて悩み相談をしている。
何気なくつけたつもりがいつの間にか見入ってしまっていた。
ママタレントたちは一同に涙を流し、わかる、わかると言っている。
私もつい、わかる、と心の中で言ってしまう。
子どもを持つ母親ならばきっと誰もが共感し、一度は抱える悩みなのだろう。
出産後、周囲の女性たちから何かと聞かれることがある。
「仕事と子育ての両立は大変ですか?」
「大変です。でも楽しいです。」
そう答えるようにしている。
楽しいのは当然。
息子に出会えたことは自分史上最高の出来事である。
彼の幸せのためなら何だってできる。
けれども大変でないはずがない。
例えば撮影のない日、朝7時には起きる息子。
朝ご飯を食べさせる。
保育園に行く支度をして9時半までに登園。
10時から動き始めてあっという間に夕方。
18時半までにお迎え。
19時半には準備しておいた夕飯を食べさせて20時半までにお風呂に入れる。
そして21時には寝かしつけ。
これが簡単には寝てくれない。気づくと私まで寝ている。
そしてまた次の朝。
早朝撮影だったりするとこのスケジュールは変わってくる。
たいていの場合打ち合わせもみんなのタイミングの合いやすい夜に組まれることが多い。
夫に代わりを頼める時はラッキー。
二人とも保育園へ連れて行けない場合、前の日の夜から実家へ連れて行く。
迎えの時間に間に合わない時は互いの両親に前もって予定を聞いておいてお願いする。
熱を出したり体調が悪かったりする時は当然病院へ。
午前中の時間はそれで終る。
組まれていた予定はリスケジュール。
けれども両家の実家が地方にあって、保育園も決まらないという話を多く聞く中で、
私の場合息子は安心して預けられる保育園に通えているし、
週に2日は夫が送り迎えをしてくれる。
実の両親は勿論、義理の父母にもずいぶん助けてもらっている。
私の子育ての環境はとても恵まれている方なのだ。
周りの働く母たちはよくやっているなあと心から尊敬する。
テレビの中で悩みに答える回答者の顔ぶれは様々で、
ママタレントたちに向かって仕事なんて今すぐやめて子育てに専念しろ、
などと乱暴な意見を言う者もいた。
私自身、仕事をやめようかと悩んだ時期がなかったわけではない。
でも、私から仕事をとったら果たして…と考えたら
息子に与えてあげられるものも減るような気がした。
子どもにとって良い母でいるためには母たちの心が健康でなければと思う。
欲している仕事を奪うなどそんな権利は誰にもない。
待機児童、職場での理解、男女間の意識の違い、
改善すべき問題は山積みだけれど、
その前に
働いているかいないかに関わらず、子育てはなかなかの体力勝負。
心が疲れてしまうこともある。
夕飯のおかずが買ってきたお惣菜だと申し訳ない気持ちになるし、
洗濯物がたまれば心がざわざわ。
それでもいいのよ〜
と言ってみる。(本当はよくないのだけれど)
ギャル曽根はきっと一言褒めてほしいのだ。
大変だね、それなのによく頑張っているね、偉いね。
その一言で母たちは救われるのだから。